ゼロから何を生み出す人が勝つ。
「賛成する人がほとんどいない、大切な真実は何か。」
「誰も築いていない、価値ある企業とはどんな企業だろう。」
「このビジネス(状態)は10年後も存続しているか。」
教訓とされていることが、実際に正しいかはわかりません。
でも、行動はどんな時も必要。
小さな間違いを追いかけるより大胆にかける。
・水平的進歩(拡張的進歩):成功例をコピー
・垂直的進歩(集中的進歩):新しい何かを行うこと
そして、
競争の激しい市場では収益が消失する傾向があり、
販売はプロダクトと同じくらい大切な過程だと言います。
→自社の商品やサービスを模倣されることがほとんどない、根本的な優位性となる。
こちらは、「競争の激しい市場では収益が消失する」の逆verですね。
この図書では、ネットワーク効果についても触れています。
ネットワーク効果は、利用者の数が増えるにつれ、より利便性が高まるもの。
しかし、そのネットワークが未だ小規模な時の初期ユーザーにとって価値のあるものでない限り、効果は広がりません。
まずは、広報よりもサービスそのものを見直してみる。
そこで、市場的にも優位性に立つことが重要そうです。
「規模の経済」というマーケティング用語がありますよね。
これは、独占企業は規模が拡大すればさらに強くなるというもの。
プロダクト開発に関わる固定費は販売量の拡大に従って分散します。
つまり、規模拡大の可能性を最初のデザインに組み込むのが優良なスタートであるのかもしれないと、この図書では解説していました。
そうするためにも必要になってくることは・・・・
ブランディング!!!
強いブランドを作ることは独占への強力な手段となります。
しかし、本質よりブランドから始めるのは危険。
実際にどんなプロダクトを生み出すかが重要だそうです。
ブランド、規模、ネットワーク効果、テクノロジーのいくつかを組み合わせることが独占につながる。しかし、それを成功させるには慎重に市場を選び、じっくりと順を追って拡大しなければならない。
つまり、順番としては・・・
1.小さく初めて独占する
→大きな市場よりも小さな市場の方が独占しやすい。
最初の試乗が大きすぎるかもしれないと思ったら、間違いなく大きいと思った方がいい。
壮絶な競争から利益が出ることはない。
2.規模拡大
→ニッチ市場を創造し支配したら、関連する少し大きな市場(周辺市場)に徐々に拡大してゆく。
例)Amazon、イーベイ
3.破壊しない
「破壊」:新たなテクノロジーを使用して低価格商品を開発し、それを次第に改善して最終的に古いテクノロジーを使った既存の企業の高価格市場まで奪ってしまうこと
→破壊にこだわることは、自分自身を古い企業の視点で見るようなもの。
古い業界を意識するよりも、創造に力を注ぐ。
・曖昧な悲観主義:暗い未来を予想するけれど、それにどう対処するかについてはお手上げ状態
例)現在のヨーロッパ
・明確な悲観主義:未来を知ることは可能だと考え、かつその未来が暗いが故に備えが必要だと感じている状態
例)現在の中国
・明確な楽観主義者:自らの計画と努力によって、より良い未来が訪れると信じている
例)1950~1960年代のアメリカ
・曖昧な楽観主義者:未来はいまより良くなると思っていても、どんな姿になるのか想像できず、具体的な計画を立てることがない。
→何年もかけて新製品を開発する代わりに、既存のものを作り直そうとする。
例)1982~現在のアメリカ
楽観的な人は未来を待ち望み、悲観的な人は未来を恐れる傾向がありそうです。
曖昧なのは未来だけではありません。
例えば、金融だって・・・
金の使い道がわからず、大きな銀行に預ける
↓
銀行はどう投資していいかわからず、機関投資家のポートフォリオにうまく分散させる。
↓
機関投資家はどう運用していいかわからず、株のポートフォリオに広く分散させる。
↓
企業は投資を控えてフリー・キャッシュフローを増やすことで株価を上げようとする。
そして、使い道に困り、配当を出すか、自社株買いを行い、このサイクルが繰り返される。
下手な鉄砲も数打ちちゃ当たる作戦では、大抵一つも当たらず、ポートフォリオはゴミの山に・・・・
この図書では「べき乗」の大切さを説いています。
だとか・・・
その理由としては、
『ファンド初期』
企業ごとのリターンのばらつきがない
『ファンド中期』
企業価値に差がつき始めるものの、それが指数関数的に成長するか直接的に成長するかはわからない
『ファンド成熟期』
企業ごとに明らかに差がつく
また、企業内としては、
不一致があった場合に原因を考える上で「役割を区別してみること」が重要だそうです。
・所有:株主は誰か?
・経営:実際に日々会社を動かしているのは誰か?
・統治:企業を正式に統治するのは誰か?
つまり、「一人に一つの責任を任せる」=役割をはっきりさせることで対立が減ると言及しています。
企業として、改めて問いたい質問は「7つ」。
・エンジニアリング
→段階的な改善ではなく、ブレースルーとなる技術を開発できるだろうか?
・タイミング
→このビジネスを始めるのに、今が適切なタイミングか?
・独占
→大きなシェアが取れるような小さな市場から始めているか?
・人材
→正しいチーム作りができているか?
・販売
→プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか?
・永続性
→この先10年、20年と生き残れるポジショニングができているか?
・隠れた真実
→他社が気づいていない、独自のチャンスを見つけているか?
新しいものを生み出す一度限りの方法を見つけ、ただこれまでと違う未来ではなく、より良い未来を創る
まずは、現状をよく把握してこの本を読みながら分析してみることが必要そうですね。
最後に人類の未来について4つのシナリオをご紹介します。
・繰り返される衰退(進歩・停滞をひたすら繰り返す)
→安定が今後も続くかは不明
・プラトー(横ばい:最も裕福な国の生活水準まで全世界が追いつく)
→未来は現在とそれほど変わらない事になる
・絶滅(大規模な社会的騒乱が起きた場合、その拡散を防ぐのは難しい)
→生き残れないほどの惨事が起きる可能性
・テイクオフ(飛び立つ:素晴らしい未来に向かって加速)
→現在とは全く違う姿=新たなテクノロジーを生み出し、はるかにいい未来へと向かう
テイクオフな未来を創造するためにも、一度自分の周囲についてこの本を読みながら分析してみるといいかもしれません。
この記事では取り上げていませんが、この本では例事項を挙げながら一つひとつ丁寧に解説していました。気になった方は是非手に取ってみてくださいね。
最後まで閲覧いただき、ありがとうございました!